2011年にFacebook株を100万円買たら、あなたはいくら儲かるのか?

さて、あなたはいくら儲かるかシリーズ第四弾wは、あの世界最大のSNSFacebook」。おっと、まだFacebookIPOしてないじゃないかって。そう。この記事は今年(来年かな)もしFacebookが上場すると仮定して、そのときにあなたが100万円株を購入したら、いくら儲かるかという未来予想なんですよ。


2004年にIPOしたGoogle株を買っていたら7年で約6倍、1997年にIPOしたAmazon.com株を買っていたら約136倍2001年にジョブスが復活したApple株を買っていたら約47倍、さて2011年に仮にFacebookIPOするとして、そのときあなたが100万円分買ったとしたらいくら儲かるでしょうか?

Facebook未上場の会社などで公開されているデータは少ないですが、数少ない手がかりを探ってみよう。まず売上げ高だが、Cnetの記事によると、2007年が1億5000万ドル(約120億円)、2008年が3億5000万ドル(約294億円)程度だったようだ。次に英ロイターによると、2009年の売上げが約8億ドル(約672億円)、米WSJによると2010年は、約20億ドル(約1690億円)程度ではないかということだ。この4年間、売上高は毎年約2.5倍の成長を続けていることになる。


次に純利益だが、2009年約2億ドル(約168億円)、2010年が約5億ドル(約420億円)だそうだ。
利益率はいずれも25%程度ということになる。


次にユーザー数を見てみよう。課金や広告売上げに貢献しているアクティブユーザーがどのくらいいるのかはかなり怪しいが、2008年末で、約1.5億万人、2009年末に約4億人、2010年で約5.8億人と言われている。しかし、ここまでいくとユーザー数の伸び率は今後次第に鈍化していくことは間違いないと思われる。中国市場やインド市場の動向が気になるところではあるが、せいぜい8億人くらいで上限で見えてくるのではないだろうか。


したがって、今後は規模の拡大による売り上げ増加より、1ユーザーあたりの課金をどれだけ上げていくのかということが重要になってくることは間違いない。ではユーザー数が8億人レベルに到達した時に、どの程度売上げと利益が想定できるのだろうか。少し乱暴な仮説だが、日本のDeNAが、現在1人あたり課金額では世界最高レベルだと思われるので、それを参考に考えてみよう。DeNAによると現在1人あたり課金はFacebookなどと比較すると15倍以上は稼ぎ出しているという。

現在、DeNAがユーザー数2500万で売上げが1000億円なので、同規模の課金が可能になればユーザー数8億は32倍、つまり売上げで考えると3兆2000億円(380億ドル)くらいが想定できる。この際の純利益率が現在の25%程度だと考えると、約8000億円(95億ドル)程度ということになる。


その時点の企業価値はどのくらいになるのか。GoogleのPER(現在の株価と一株あたり利益の割合)が約20倍なので、それと同じ評価が行われた場合、1900億ドル(約16兆円)という企業時価総額がはじき出される。Googleの現在の時価総額が1740億ドルなので、この利益を実現できれば現在のGoogle企業価値を追い抜くことになる。


まあ、上記の仮説はすごく理想的に成長した予想なので、ここから20〜30%は割り引いた方が現実的ですね。(もちろんGoogleが発明したアドセンスようなビジネスモデルを発見すればさらに利益は飛躍する可能性もありますが)時価総額1900億ドルを8掛けで考えると、1500億ドル程度っていうのが妥当な感じじゃないでしょうか。


それで、この売上げと企業価値にいつごろ到達できるかというと、ユーザー数は2013年くらいには8億を達成してしまいそうですが、利益水準で考えると、最低5年、2016年くらいまではかかるのではないでしょうか。

5年後の企業価値を想定したところで、2011年、FacebookIPO時の株価がいくらぐらいになるか見てみましょう。こちらもデータがほとんどないんですが、参考になるのは、ゴールドマンサックスが今年1月に露Digital Sky Technologies(DST)から調達したときの企業時価評価が500億ドルと、その後米General Atlanticが投資したときの時価総額が650億ドルという数字です。
驚くことにまだ未上場のFacebookには既に約5兆円の値段がついているんですね。


それでは今年IPOすると、そのときの評価いくらになるのでしょうか。現在の環境を考えると、相当加熱することは間違いないので、800億ドル前後にはなってしまうのではないでしょうか。

で、先ほどの5年後の1500億ドル予想と比較すると、投資する100万円は200万円前後、約2倍にしかならないわけです。Googleの6倍、Amazon.comの136倍と比較すると「およよ」の寂しさですね。


なんでこんなことになるかというと、あまりに過熱しすぎているからですね。もし、もしですよ。Facebookが期待ほど成長しなかった場合、残念ながらマイナスになる投資家も出てしまう可能性もかなり高いといえますね。結局、株式投資ってやつはFaceBookのように既に超有名になっている企業より、まだ誰も気づいていない急成長企業に投資できるかどうかで勝負が決まるっていうことですよね。


もっともこれは上場時に株を買うからリスクが高いんで、上場前のラウンドで投資したFacebook株主はみんな笑いが止まらないということですけどね。