「GoogleがTwitterを買収する!?」の件について

個人的には「GoogleTwitterを買収しないのかなあ」と思っています。まあTwitterが評価されはじめたころから、当然買収ターゲットになっていると思いますけど。でもTwitterの創業者たちはGoogleにバイアウト経験あったりするから「ここは簡単にExitはしないで意地でも自分たちでやろう」って気持ちが強かったんでしょうね。結局、アラブの春や日本の震災でSNSの評価が高まり、良いバリエーションで資金調達ができて、M&Aもたくさんしちゃったし、投資家や経営者が入れ替わってもなんのそので、IPOにまでこぎつけたんですからすごいことですよね。

Techcrunchあたりは2009年、GoogleによるTwitter買収観測の記事を掲載しています。企業評価は250億円以上ってなっていますね。もし買収するなら500億円くらい出せばOKだったんですかね。今から考えるとずいぶん安いですものねw

ぼくもTwitterユーザーですし、Facebookより人間らしくて、オープンなところが大好きなんですよ。先日までは、ぼくもTwitterは独立したメディアとして、FacebookやLinkedinのように成長路線まっしぐらかなと思っていたんですけど。ちょっとその考えが変わりました。というのも業績が開示されたからです。それは想像以上に良くない数字でした。こちらがその業績です。2012年が売上高307億円で約80億円の赤字なんですね。創業7年でいまだに赤字なんですよ。アマゾン級ですよねw。100歩譲って赤字はいいんですけど、2013年上期も赤字が続いていますし、これから大きく加速度的に利益が伸びるという感じがしないわけですよ。サーバー管理コストとか相当重そうですし。IPO申請直前にモバイル広告会社を買収していますが、それがこれからの収益を押し上げるエンジンになるとも思えないし。

FaceBookはもともとPCで広がって、Web上の広告ビジネスが軌道にのってIPOを実現しました。しかし、期待先行する中で常に業績に不安がありました。それはモバイル対応の遅れ、アプリの失敗、スマホディスクトップ戦略の盛り下がりなどいろいろありました。けれども、前回の四半期決算で、モバイル広告の利益をグーンと伸ばして見せて投資家をびっくりさせてくれました。とにかくFacebookモバイル広告は効果が高いということを証明してみせたんですよね。(一部には審査問題なんかも山積みされていますがw)なぜ広告効果が良いのか。それはFacebookのターゲティングと実名で投稿されるコンテンツに対するユーザーのロイヤリティの高さが重なり、想像以上にうまくターゲティングが機能しているっていうことだと思います。

一方でTwitterはどうでしょう。一時はTwitterの方がFacebookよりモバイルにうまく対応していったように見えますよね。けれどもコストに対して売上が大きく伸びないのは、やはり広告効果が迫力不足なんじゃないでしょうか。その差は何か。それはやはりTwitterは匿名媒体ということかもしれません。つまり、投稿される情報には常にユーザーの警戒感がつきまとうわけです。だから広告に対するロイヤリティも低くならざるをえないんじゃないでしょうか。さらに、Facebookより手軽なつぶやきが多いから広告が埋もれてしまうっていうリスクもあります。いずれにしても広告主から見た媒体価値はどうやらFacebookよりかなり低いらしいっていう感じなわけです。それにもう一つ大きな問題は、Twitterが使いやすいユーザーインターフェイスを求めてきた来た結果、広告表示スペースが極端に少ないことにもありますよね。

いずれにしても、ぼくはTwitterFacebookやLinkedinのようなメディアとして独立して成長していくのは難しいのではないかと考えはじめています。だから、Googleが買収したらいいんじゃないかと思っているわけですよ。今回のIPOでどのくらいの時価総額がつくのか。もしかしたら1兆円を軽く超えて2兆円に迫るかもしれないです。やっぱりすごい知名度ありますからね。でも、ちょっと高いかなあという金額になったとしてもGoogleは買収したほうがいいんじゃないかと思います。だって1兆円だとしても、今やGoogle時価総額は30兆円、ほんの3%のシェアで買えちゃうわけだから、相対的に安い買い物ですよね。

Twitterを手に入れることはGoogleの業績を押し上げることにもなると思います。というのもGoogleSNSであまりうまくいっていないという理由もありますが、もっと大きな価値はアドネットワークをモバイル分野に大きく広げられるからです。実はGoogleもPC中心に成長してきた企業だけにモバイル対応には案外苦戦しているんですよね。伝家の宝刀アドワーズアドセンスがうまく使えていない。それに将来的にはSNSの利用増により検索クエリー自体が減少するかもしれないですしね。Twitterのアプリを活用すればそれも防げるかもしれない。Youtubeのモバイル対応、広告連動などなど、Googleの持っているマネタイズシステムを利用すればTwitterの媒体価値は大きく変わるのではないかと思うんですよ。

でもでも、Google先生Twitterと合体して強くなりすぎることは、競争上、ネット業界にもマイナスじゃないかという思いもあるんですよね。FTCあたりはどうでしょうかね。GoogleSNSダメだからOKですかね。それに、まだまだTwitterもマネタイズ必殺技を隠しているのかもしれませんしね。そんなこんなでTwitterの業績と今後のGoogleの動向を生温かく見守ろうと思っているわけです。(ここで決してmixiの話はしません。きっぱり。)

@ankeiy