小泉今日子の芸能プロダクションと壇蜜のネイルサロン、投資家はどちらに投資するべきか?

昨夜、堺雅人の目は怒っているけど、口元が笑っている顔の練習をしていて顔がつりそうになったぼくです。みなさんお元気でしょうか。みなさんも顔芸の練習にはお気を付けくださいね。しかし、上戸彩に新しいバックを買ってもらえるなら、今夜もがんばってみます。はい。

さて、今年のドラマ界の話題の2作といえば、「あまちゃん」と「半沢直樹」ですね。どちらもドラマとしてはちょっと”どんくさい”感じなんですが、そこが面白いですね。なぜ面白いのかというのはあまり分析しても面白くないんやめますが、ぼくが感じているのはどちらにも共通している「バブルの匂い」です。「バブルの匂い」が本当はみんな好きなんじゃないんですか?今はあのころと比べてお金やモノの価値はずいぶん下がってしまったけれど、みんなあの喧噪が大好きだったんじゃないでしょうか。なんか、札束ばらまいてそれに群がる人々、日夜繰り広げられる酒池肉林wっていう人間の本能丸出しみたいなあの感じ。バブルを体験した世代も、それを大人から聞かされた世代も、なんとなくそこへの憧れやノスタルジーを感じてドラマを楽しんじゃってるんじゃないでしょうか。

さてさて、今日の話は、そんなドラマ論ではありません。それぞれのドラマの中でたまたま「起業」というテーマが出てきましたので、それに合わせて少しばかり投資ということついて考えてみたいと思います。


半沢直樹で妖艶な愛人役を演じている壇蜜さんが起業を考えている会社(お店)は、ネイルサロンです。堺雅人はドラマの中で、2度壇蜜になぐられているんですが、「2度もぼくを殴る女性は芯の強い女性だから経営者に向いている」とか言っています。いい融資課長ですね。ぼくも昔、何度か銀行の融資担当を殴りたいと思ったことはありますが、殴っておけばよかったんでしょうか(笑)

壇蜜のお店は、ドラマを見る限り繁華街の並びにあり1Fで人通りのある路面店のようです。繁華街の女性にとってネイルは必須、確かになんか儲かりそうな立地ですね。ぼくは残念ながらネイルサロンに行ったことがないので、どんな商売なのかよくわかっていないんですが、以前、「ネイルをすると自分自信が持てるようになる」と女性から聞いたことがあります。今や女性にとってなくてはならないサービスなのでしょうね。美容室と比較して狭いスペースでできるし設備投資が少ないってところも魅力がありそうです。しかもどうやら美容室よりも来店サイクルが短いらしい。客単価は一人あたり1万円前後と美容室よりも高いらしい。商売として悪くはなさそうです。

壇蜜のあの色気だけでも仕事ができそうですから、道頓堀1号店を成功させたら、次々に全国展開して、5年くらいで巨大ネイルサロングループを立ち上げるかもしれません(笑)
ということで、もし、このお店の創業時に必要な2000万円のうち5%の100万円出資したとして、投資家はどのくらい儲かるか考えてみましょう。そんなの業績次第なので本当はわからないんですが、上場している会社を見てなんとなく考えましょう。今の世の中なんとなくが大切です。ネイルサロンで上場している会社はなさそうなので、類似ということで美容室系の企業を見ています。「田谷」と「アルテ・サロン・ホールディングス」がありました。

まずは2社の直近の売り上げはというと田谷が120億円、アルテが65億円くらいです。営業利益率を見てみると、田谷が4%程度、アルテが8%程度という感じです。ネイルの事業は美容室より設備投資が少ないということはあるでしょうが、競争も激しくなるので、立地がすごく重要になりそうです。良い立地で出店していければ営業利益率は10%程度は確保できるでしょうか。仮に5年後に年商10億円になっていたとすると営業利益は1億円です。
次に上場会社のPER(株価収益率)を見ると、田谷が20倍、アルテ14倍程度です。壇蜜さんの事業は間をとって17倍程度ってことにしましょう。すると1億円の営業利益ですから、税引き後の純利益は6千万円程度となります。PER17倍ならば、この事業の時価総額は10億円程度になります。創業時に100万円5%出資しましたが、その後、増資などで持ち分比率が減ることを想定すると、上場時の保有比率は3%程度になっているのが普通でしょう。
だとすると、時価総額10億円に対して3%ですから、この投資家は3000万円分の株を保有していることになります。投資100万円に対して30倍になったということですね。すごい。さすが蜜の味の投資ですね。


次に、あまちゃんに春子さん役で登場する、小泉今日子が立ち上げた芸能プロダクションに100万円投資したとしてどのくらい儲かるか考えてみましょう。こちらも創業時資本金2000万円の5%とを出資したことにします。豪快な小泉社長ですから、順調に所属タレントを増やして、事業が拡大して、5年後に株式公開するとしましょう。年商10億円程度になっているとして、利益はどのくらい出るのでしょうか?こちらも上場会社を調べてみます。プロダクションで上場している企業は少ないのですが、サニーサイドアップアミューズあたりがいいでしょうか。
売上はアミューズが300億円くらい(さすが福山やパフュームが所属するだけあります)、サニーサイドアップが100億円程度。営業利益率を見ると、アミューズが10%程度、サニーサイドアップは3%程度。コンテンツビジネスは所属タレントによってかなり利益率に開きがでるのでしょう。ということで小泉今日子の会社は間をとって7%程度としてみましょうか。つまり10億円の売上で7000万円の営業利益です。PERを見ると、アミューズは10倍程度、サニーサイドアップが17倍程度ですから、こちらも同じく間をとって14倍程度と仮定しましょう。すると小泉さんの会社は7000万円の営業利益で、純利4200万円としてPER14倍で時価総額は約6億円ということになります。100万円投資した投資家は3%保有していたとすると1800万円に増えたということです。そのパフォーマンスは18倍です。こちらもまずますでしょうか。

案外、派手で儲かりそうな芸能プロダクションって事業成長の評価が低いんですね。やっぱり所属タレントによって会社の業績が左右されてしまったり、新人の発掘にコストがかかったりと仕組み化や成長期待が低いんでしょうね。もちろん、エイベックスのようにガツンと一発当てて、仕組み化して、マルチコンテンツ展開して高い評価を得るということも現実にはあるわけですから、このあたりは経営者の手腕ということでしょうか。

というわけでドラマ2社の投資を比較しましたが、こんなクソ比較では壇蜜さんの会社に投資した方がいいようです。最終的に視聴率ではどちらが勝つのかわかりませんが、投資家の読みだと半沢直樹です(笑)

ところで、本日の日経新聞で若者の起業離れが進んでいるような記事がありましたが、創業事業に出資するとか自ら起業してリスクをとるっていうのは大変なことですけど、もし自分がチャレンジしたら将来どんな価値を生み出すのかくらいはどんどん調べたらいいんじゃないでしょうか。タダですし。今ならGoogle先生に質問すればかなりのイメージまで教えてくれます。どんどん調べて夢を膨らませて破裂されてください。

これから世の中が単純にバブルに向かうとは思いませんが、2つのドラマや壇蜜小泉今日子(そして最近の林真理子笑)を通じて思うことは、もっと人間の本能に近いところを炙り出せってメッセージということで受け止めておきます。

@ankeiy