東証一部に上場して何が変わったのか。

みなさん、マイルドヤンキーしてますか?ぼくは毎日かかさず研究ノートをつけています♡。さて本日のブログのテーマはちょっと重いです。なぜなら、ぼくが代表をしている会社が今年3月に東証一部に上場してしまったからです。私はその重厚な立場から語らなければならなくなってしまったのです。いっそうのこと、過去を一掃するためこのブログを捨ててしまおうと考えましたが、あとから理研になんだかんだ言われた時の証拠としてとっておくことにしました。

いずれにしましても、14年前に乃木坂の小さなオフィスの片隅に、小さな机を一つ無料で借りて、そこに電話線を引き込んで秘書代行サービスを月額3万円で申し込んで、誰もオフィスにはいかないで自宅で仕事をしていた会社が、なんと、なんと東証1部に上場したということはそれなりに感慨深いものがあります。東証1部ですよ。あのトヨタやNTTや日立と同じ東証1部ですよ。驚きますよね。東証1部っていうのは国内に数百万社あるとわれる会社のなかで約1800社しかない経済界の最高峰なわけですよ。サッカーに例えるならJリーグ、肉に例えるなら松坂牛、カステラに例えるなら文明堂ってくらいなものです。かなりレアですよね。だから、過去のぼくのダメダメさやいい加減な生活態度を知っている皆さんは一斉に驚かれたようです。「あんな人間も年をとれば少しは変わるものなんだなあ」と思ったようなのです。

そんなこんなで、最近、会う人、会う人に「東証一部に上場して何が変わりましたか?」という質問をされるようになりました。いちいち答えるのが面倒くさくて仕方ありません。そこでブログに書くことにしました。すげー久しぶりに。しかし、問題は知り合いがこのブログの存在をほとんど知らないことです。まあ、言ってみれば、「スタップ細胞はあるんですか?」と野依理事長にくってかかる蓮舫議員のようなものですw

さて本題です。まず大きく変わったことからお話しましょう。それは髪の毛の洗い方です。上場前のぼくは、地肌を指先でゴシゴシと力強くこすっていましたが、上場後は指の腹で優しく撫でるような洗い方に変えました。マイルドシャンプーって呼んでいます。でも、EXILEは流しません。よく流すのはあくまでシャンプーです。そう、ぼくももう49歳です。人並みに髪の毛が寂しくなってきました。上場を機に自分の髪の毛をいつくしむ気持ちが湧いてきたといってもいいでしょうか。日本人の「わびさび」がようやく少しわかってきたのかもしれません。聞くところによるとゴシゴシ洗いすぎると、これから成長しようとしているうぶ毛まで抜けてしまうそうです。いくら何でもそれはまずいでしょう。まさに老害。「でる杭は叩く」状態です。だから優しく洗って、うぶな新人たちをぼくの頭でインキュベートしなければならないとようやく気づいたわけです。

次の変化を紹介しましょう。ぼくは犬を飼っているのでよく散歩に行くのですが、道端によく犬の糞が放置されていたりするわけです。上場前のぼくは「なんてモラルが低い人達なんだ!」と飼い主に怒りを覚えていましたが、上場後のぼくは、自然な気持ちで、この放置されている「他人の犬のうんこ」を拾うことができるようになりました。なぜこのような心境の変化に至ったか、自分でも定かじゃありません。先日読んだフロイトの本によるとどうやら「無意識」とかいう輩が絡んでいるようです。「無意識」・・・。やっかいな奴です。勘のいい読者の方なら、もうお分かりですよね。そう、経営者として最も大切な「運」を無意識が拾い集めているのではないかと推測できるのです。さすが、東証一部ともなると恐ろしいことに無意識の世界まで変化を求めてくるのです。

ところで、東証一部という「日本を代表するエスタブリッシュメントなステージ」で経営者として戦うために意図的に自分自身を変えたこともあります。それは、富士そばの食券機でのオーダーの仕方です。ぼくの場合、上場前は「今日は富士そばで○○を食べよう」っていうことを決めてから店に入るようしていました。そう、電車を降りるくらいから「今日は天玉そばにしよう」とか「かつ丼にしよう」とか。だから、富士そばにつく前に既に決めていたメニューの味が口の中に広がっています。するとどうでしょう。焦りもあるのでしょうか。食券機で食券を買うときに、決めていたメニューのボタンが見つからないということがたまにあってイライラするわけです。ましてや前に先客がいて、その人が何を喰うのか迷っていてなかなか決まらないようなときや、小銭入れから小銭を取り出すのにやたら時間がかかって、なかなかコインの投入が終わらないときなど超イライラして、「富士そばに着く前にちゃんと準備してこいよ。このド素人野郎があ!」などという大変よくない暗黒物質が脳内を駆け巡っていました。この富士そばでの食券の買い方には前から問題意識を持っていたわけです。そこで、上場後は、食券機の前に立つまでは、何を食べるか決めないというふうに決めました。これにより食券機の前に立った瞬間にメニューを選ぶことになるため、なんといっても瞬間的な決断力がつきます。たとえ先客がいてもたもたしていても、その人がいるおかげで「ああ、この人はぼくにメニューを選ぶための大切な時間を与えてくれているんだなあ」と考えることができ、極めてポジティブ思考になれます。どうですか。このような変化はやはり東証一部に上場するものとして必要なことだと思うのです。

まあ、これ以外にもいくつか上場後の変化というものはあるのですが、長くなってしまうので本日はこれくらいにしておいて差し上げましょう。最後に、まあ、そんな人は稀だと思いますが、このブログを読んでいる人の中に「いつか私も上場、いや東証一部を目指そう」なんてとんでもないことを考えている人もいるかもしれませんので、そんな人のために、どうしたら東証一部に上場できるかという先輩としてのアドバイスをしておきましょう。

それは、一言でいうと、「同じステージに立たない」ということです。というのも、今でこそトヨタ花王などの大企業は、世の中で当たり前のようにみなさんの生活に商品を提供し、立派な会社になっていますが、創業時まもない「しょぼい企業」のうちは、どの会社も例外なく「変てこな会社」扱いされていたということです。変な会社といいますのは、「そんなことやっていて大丈夫か?」と思われるような世の中から不安に思われるような仕事をしていた会社だということです。ところが人間、不思議なものです。今や普通の大企業になっているそれらの企業を「はじめから普通で立派な会社だったんじゃないか」と評価してしまうのです。そして、自分もあんな立派な企業を作ろうと考えた瞬間、立派な会社を目指して立派な事業を始めてしまうという「起業のジレンマ」が生まれてしまうわけです。(なんのこっちゃw)

経営者とか投資家wとか政治家とかメディアとか、既存の理研者、あっ、間違えたた利権者たちは、昔から自分たちもずっと素晴らしく立派な人間だったような顔をして「起業家を今の自分たちと同じ立派なステージに立たせようとします」なぜなら、同じステージで躍らせれば、古くからいる人達の方が組織的にも財務的にも圧倒的に有利だからです。その時です。大切なのは。騙されてはいけません。誘いにのってはいけません。あくまでも自分たちにふさわしいステージで勝負をすることです。

まあ、いろいろ書きましたが、変化が好きな人は起業して上場を目指すのもいいかもしれません。上場することでぼくのように様々な素晴らしい生活の変化を体験することができるでしょう。まったくもって女の子にはモテませんし、上場なんかで幸せにはなれませんが、変化を楽しむことぐらいできるようになるかもしれません。

何かを変えなければ未来は変わりません。ごきげんよう。さようなら。(美輪明宏風)

@ankeiy