もし僕がダイナースカードでTwitterを買収したとしたら。
ことのはじまりはこれだと思うんですよ。僕が昨日「GoogleはTwitter買収すればいいんじゃないの」っていう簡単なエッセイ書いたんですよ。このブログに。そしたらそれをたぶん読んだんでしょうね。ぼくのTwitterのフォロワーのたかぽんさんっていう人が、突然こんなつぶやきしたんですよ。
いやね。ヤナティというのはぼくのことなんですけどね。一応ぼくも会社経営しているので、その会社で買収したらどうかという意味だと思うんですけどね。「いやいやいやいや、無理に決まっているじゃん。」「Twitterを買収するなんて、とんでもないことだよ」とその時は思いましてね。こんな風に冗談ぽく返答したんですよ。
そしたらですよ。これを見ていた、もうひとりのフォロワーの永江さんがですね。いや、永江さんはいつも本当のことをオブラートに包まずに語る方なので、時々薬が苦すぎて飲めない人がでちゃうくらい尊敬するブロガーなんですけどね。こんなことつぶやいてきたんですよ。
ダイナースカードなら買える!?はじめは何のことだかよくわからなかったんですけどね。そのうち「ゴロゴロ〜ピカーン!」とぼくの頭に稲妻が走ったんですよ。
「そうかその手があったかああ!」
そうなんですよ。法人カードでダイナースのブラックカードを作れば上限金額のリミットを外せる。つまりそれを使えばTwitterも買収できてしまうわけですよ。「うっしっしっしw」「よし早速Twitterの本社に連絡だ。」とそう思ったんですけど、もう一人の冷静な
自分が「待てよ。一括払いじゃ払えないなあ。」「分割払いか?」「リボにするのか?金利が高くなりそうだなあ。」と頭の計算機を叩きはじめたわけですよ。そして「しかし、Twitter買って返済できなくて破産するのもしゃれになんないなあ。田舎の両親泣くだろうなあ」なんて思いましてね。やっぱりここは一括払いじゃないとダメかあという結論に達したわけですよ。
さて、ところでうちの会社にいくら金あったかなあと思い、財務諸表を引っ張り出して確認してみたんですよ。そしたら、現金同等物でだいたい70億円くらいあるんですよね。10年間コツコツ貯めましたから。あと、自社株を持っているのでこれも誰かに売却できたとして、今の株価だとだいたい130億くらいになるんですよね。両方足して200億です。
「足りないなあ。じゃあ、銀行に借りるかなあ。」
先日、弱そうな半沢直樹ぽい某銀行の支店長も「資金需要があるときはいつでも当行に言ってください」とか言っていたからなあ。
でもでもでもですよ。銀行が貸してくれるっていったってせいぜい50億円くらいじゃないかなあ。合わせて250億円。これじゃまだ足りないかなあ。仕方ないなあ。上場会社の伝家の宝刀、第三者割当増資を出すか。しかしTwitter買うなんて言ったら株式市場からボロカスだろうなあ。じゃあMSCBしかないかなあ。でも、たにやんに怒られるんじゃないかなあ(いや、この「たにやん」っていう人もぼくのフォロワーで財務の専門家なんですけどね)。とかなんとか、考えてやっぱりぼくの資金力じゃ、時価総額たぶん1兆円を超えるTwitterの「つ」の字も買えないことがよくわかりました。
残念だなあ。資本主義って残酷だなあ。と思いながらも、現実を受け止めて、だったら「もし僕がTwitterを買収したら、どんな事業戦略を展開するか」でも考えてみるかってことになりました。
まず、ぼくがTwitterを手に入れたら、僕のツイートが会員全員に配信されるようにしますね。つまり、僕のフォロワー2億人とかになるわけです(なかにはbotもありますからそれは除きます)「ぼくが腹減ったー」とかつぶやくと、ジョージクルーニーのパソコン画面にも、GAGA様のスマホにもそのツイートがお届けできるわけですよ。あれ、ちょっと待ってください。世界のみんなは日本語読めないですよね。それは困ったなあ。よし、しょうがないから日本語を全世界の言語に変換する多言語同時翻訳システムの開発をしましょう。これでぼくの言葉は自由になるわけだ。
あとは、つぶやきコンシェルジュシステムの開発もしないといけないなあ。これは僕が例えばグウィネス・パルトロウをデートに誘いたいと思ったとき、そのことをこのシステム上でつぶやくと、グウィネス・パルトロウがTwitterを見てようが見ていまいが、彼女のもとにこの無理やりつぶやきを届け、そして無理やりデートを実現させるという画期的なシステムです。
グウィネス・パルトロウ(出典 starmixedrace.blogspot.com)
うおおおおお、この事業燃えてきますね。こんなこともできますね。たとえば米国議会が予算の執行止めて世界中が困りそうなとき、ぼくが一言つぶやくわけです。「そんな子供じみたことやめないさい」と。すると米政府関連の人が「そうだよな、我々のせいで世界中に迷惑が掛かっているから、こんなバカバカしいことは止めよう」ってことになり、世界中の金融関係者から僕のところに「感謝感激」のリプライが殺到するわけです。
もちろん、米国がシリアに空爆しそうにでもなったら、ぼくがつぶやきますよ「オバマくん、やめたまえ」と。おおお、これはノーベル平和賞も見えてきましたね。つーか、既に世界のメディア王ですね。もうマードック1000人分くらのパワーを持っていますね。
とかね。こんなこと考えていたら、Twitterって会社が何であんまり儲からない会社か良くわかってきましたわ。だって社会的な使命ありすぎだもの。これ運営する人たちって超プレッシャーじゃない。もしかして民間でやっちゃあまずいんじゃない。だってさ、いつも悪の自分と善の自分が戦わなきゃならないわけだよ。世界のメディア大王と悪魔の闘いだよ。毎日。
なんて思っていたら、なんだか足の方がくすぐったいんですよね。おかしいなあと思ったら、うちの犬がペロペロしているじゃないですかあ。「ああああ、なんだこれは夢だったのかあ」ってな感じで目が覚めたわけです。カール・グスタフ・ユングは40歳が人生の正午だといいました。僕の場合は、いま午後2時くらい。一番眠くなる時間帯なんですよね。
それではみなさん、くれぐれも居眠りしないように。
@ankeiy