「ユーザー目線の違い」に付け足したいこと。

みなさん、おはようございます。今年も残すところあとわずかですが、風邪をひかないように元気出していきましょう。本日はサイバーエージェントの藤田さんのブログを読んでちょっと付け足したくなったのでこの文章を書いています。

「ユーザー目線の違い」

セブンイレブンの鈴木さんや藤田さんがおっしゃることは全くその通りだと思います。

「顧客のために」と「顧客の立場に立って」は違う。
子供のために子供を叱っているつもりでも、
子供の立場に立ってみればありがたくもない。
それと同じ。

自分ではユーザーのために必死に考えたつもりでいるけど、実は自分がそうしたい。そうなりたいという願望で物事を組み立てていたという話ですね。


まあ、こういうことって顧客に対してじゃなく、友達関係や家族全般でありますよね。「あなたのために言っているのよ」っていうやつです。やっかいですよね。相手は自分のために言っているといっているのでむげにもできない。でもかなりうざい。


ぼく子供が二人いるんですけど、子供が小さい時よく近所のご家族(やっぱり小さい子がいる)とレストランとか居酒屋とかで食事しました。そのときにいつも心に引っ掛かることがありました。

テーブルに着くと、必ず親同士がまず子供に何を食べさせるか、子供の好き嫌いや子供に合うもの合わないものを決めて、子供のためのオーダーを優先させるわけです。そんなとき、ぼくはいつもちょっと違うんじゃないかと思っていました。

「食べるものを頼むんじゃなくて、頼んだものを食べさせるべきじゃないかと。」

つまり、ぼくはいつも大人が食べたいものを頼むべきだと思っていたわけです。大人が食べたいものを頼んで、その中から、子供が食べられるものを食べるようにする。こうすることで、子供の食べられるものの種類は広がるし、いろんな味に出会う機会が生まれる。大人が優先なんだと思えば、大人への憧れも生まれる。


ところが、親がいつもこの子たちはハンバーグが好きだからといってハンバーグをオーダーしていたら、その子はハンバーグだけにしか出会えないわけです。家庭ならいざしらず、レストランとか特別な空間にいるわけですから、どんどん子供たちの世界を広げるようにしたほうが将来いいんじゃないかと思うわけです。苦くて食えないものがあれば何で大人はこんなものを好んで食べるんだろうかと考えるだろうし。酒飲んでいて、自分たちの食べたいものが出てこなければ、納得いかないだろうし。どうしても腹が減ってしかたなければ、「これ食べたい」とリクエストするかもしれないですし。

まあ、いずれにしても大人が子どもに合わせている世界がすごく嫌な感じでした。大人の世界に子供を合わせさせるべきだといつも思っていました。


この発想は、ぼくの仕事の取り組み方の中にもいろんな場面で出ているとおもいます。第三者から見れば一見、これは顧客のためじゃない、あるいはスタッフのためじゃない、取引先のためじゃないと思えるようなこともあるかもしれません。けれども、そこでは必ずその瞬間のことよりもその先、そのビジネスがどう発展しているのか自分でできる限り想像し、いまのアクションを決断するべきだという気持ちが働いているわけです。

ぼくが、すごいなあと思ったのは、創業当時の楽天です。楽天市場をささえるRMSというシステムお世辞にも、当時使いやすいものではなかったと思います。けれどもそれを利用する店舗側にどう使えばいいか考えさせ、店舗のマーチャンダィジングがマーケティングを成長させていくプロセスを持っていた。もし、あのときRMSが素晴らしい仕組みで店舗が何も考えずにあらゆることが自動化され、綺麗な商品画像がサイトに並ぶようなところに開発の焦点があたっていたら、極端な話ですが、いまの楽天市場のような世界で唯一のモールビジネスには育っていなかったと思うわけです。


ぼくは、この10年間、当社の営業の顧客に対する値引きに厳しく対処してきました。

「値引きをするなと」

これがいまうちの会社の営業力の源泉になっているかもしれませんが、なぜ競合に敗れても値引きをしないことにこだわらせたかというと、営業から考えると、値引きする=顧客のためという安直な発想に陥りやすいからです。値引きをした瞬間、営業も顧客も考えることを放棄してしまう。ところが、もしきちんと負担になる料金が発生するとなると、顧客はその料金の元を取るために必死なるし、営業もその料金に見合うための提案を必至に考える。もしかしたら顧客自身も社内の稟議を通すために様々な努力が必要なるかもしれない。だからいいわけです。

極端な話「値引きをしないこと=顧客主義」だと思います。

自分たちが覚悟してつけた値段で売れなければ、ぼくらの商品に力がないわけです。
「出直してこい!」ですね。


仕事に対する厳しさというのは、言葉を変えるとプロフェッショナルの仕事というのは、自分に対して厳しいのは当たり前ですが、顧客に対しても、取引先に対しても厳しいわけです。


(今日は忙しいので落ちはなしで終わりにしますwすみません。)


@ankeiy