2020年、偽装のない東京へようこそ。

誰もいない蕎麦屋で、店主はぼーっとTVのニュースを眺めていた。もうこの国ではテレビと呼ばないほうが良いかもしれない。画面にはたくさんの文字が並びニュース原稿を読むアナウンサーの顔などもうほとんど見えなくなっていた。「映像はカメラマンの意思により現場の一部を記録したものであり真実と異なる場合があることをご容赦ください」とか「アナウンサーの表情や声のトーンが事実をミスリードする場合があることをご容赦ください」とか、視聴者に対する免責のための文章が並んでいた。はじめは1行だったものがここ数年で急速に増え、今ではニュース速報のテロップも流せないほどになっていた。もし、2013年に住む人がこれを見たらニコニコ動画か何かだと思うだろう。だが現実は違う。これはれっきとしたNHKの午後7時のニュースなのだ。

店のテーブルに無造作に置かれた新聞の一面には大きな文字で「注意:記事は偏った情報で書かれている場合があります。また、事実とは異なる記者の思い込みで書かれる場合があることをご容赦ください」と書かれていた。何年か前から、たばこの注意書きと同じような文言を新聞題字横に30ポイント以上の級数で表示しなければいけないことが法律で決まっていた。

なぜ、こんなことになってしまったのか。そう、それは東京オリンピック開催が決まった年、7年前にまで遡る。ことの始まりは、関西のホテルで見つかった食材の偽装問題だった。ところがその後、偽装探し、いわゆる偽装狩りがあっという間に全国に広がった。いわゆる第二次偽装問題ブームが起きたのだ。誰かがネットで怪しいといい始める。それをマスコミが取り上げる。そして、それがさらにネットで拡散する。そんなことを繰り返して偽装排除は広がっていった。ところが、ある時点で調子に乗って偽装問題を取り上げていたマスメディアに飛び火したのだ。当時、テレビ番組でやらせが問題になっていたことも実にタイミングが悪かった。そして市民はマスメディアの過剰演出に「偽装問題」の矛先を向けたのだった。

まず最初にやり玉に上がったのは、朝のワイドショー番組を長年仕切っていたキャスターの「ズラ」だった。結局、キャスターが自分の禿げを偽装していることは、事実を伝えるマスメディアの使命を踏みにじっているということになり、そのキャスターは降板に追い込まれた。

マスメディアにおける偽装が次々に指摘されるようになり、アイドルの平均年齢は3歳アップした。厳しい整形手術チェックが行われたため、永久追放されたタレントも後を絶たなかった。こうなると高須先生がどんなに「イエス」を「ノー」に変えて叫んでも後の祭りだった。結局TV業界は、このままでは存続が難しいということになり、「金融会社や通信会社などの消費者からうまく責任を逃れる契約書」に書かれている免責条項を徹底研究し、その文面をTV画面に表示することで「偽装」を「あってはならないもの」から「あってもしかたないもの」に置き換えることにした。けれども、免責と引き換えにTV画面は文字に覆われ、メディアの命ともいえる映像を失ってしまった。


ビジネス的にも様々な影響があった。まずはカツラメーカーは全滅した。美容クリニックも大打撃を受けた。そもそも偽装をほう助しているのではないかと糾弾された化粧品メーカーも基礎化粧品を残して海外に逃げて行ってしまった。。

食料品業界、流通あらゆる業種に大きな影響が及んだ。駅前にあったハンバーガーチェーン店はそもそも偽装を否定したら商品が提供できないということであっという間に店を閉めてしまった。
もちろん、3代続く手打ち蕎麦の老舗だったこの店主のお店も大きな打撃を受けた。これは市民から直接追求されたということではなく、世の中の空気が真面目な性格の店主を追い込んでいった。
まず店主が悩んだのは、お店のキャッチフレーズ「手打ち」という文言だった。最近年齢的な体力の衰えから、しかたなく蕎麦打ちの時間を短縮していた。本来必要と思える「こし」を出すまで時間をかけることができなくなっていたのだ。店主はそんな自分が許せなかった。これは偽装だ。店主はやむをえなく「手抜き手打ち」に変えることにした。店の前のカンバンやのぼり、店内のメニューなどに「手抜き」の文字を付け加えた。

蕎麦屋の定番メニューのかつ丼も以前から「肉が薄すぎるんじゃないかなあ」と不安に思っていた。そこで生真面目な店主は「かつ丼」とはせずに「カツの薄さを”ころも”でごまかしている丼」という名称に変えたのだった。そしてもちろん、店主が偽装問題に取り組めば取り組むほど、客足は次第に遠のき、店は閑古鳥が鳴いていた。

「なぜ、こんなことになったのか」店主は頭をかかえた。

そもそもホテルのレストランメニューに端を発した偽装問題であったが、その裏にはもっと大きな背景があった。それは2000年初頭に流行りはじめたソーシャルネットワークとかいうサービスだった。米国人のザッカーなんとかという創業者が声高々に「我々はすべてをオープンにする隠し事はいけない」なんて言い出したものだから、ネット上に様々な消費情報が集まり、いつのまにかそれは企業やマスメディアの情報発信力より大きなものとなった。ネットで力を得たネット市民たちは、次々に不正をあばき、問題がある企業を糾弾していった。それはまるで白鳥とカラスを選り分けるようなものだった。グレーという色はなかった。一度カラスの烙印を押されるとその企業は二度と消費者の前には戻ってこれなかった。企業経営者はカラスの烙印を恐れ、あらかじめ積極的に偽装を排除した。

蕎麦屋の店主もこの空気に逆らえなかったのだ。

そして、店主はいま最大の問題を抱えていた。店主はそれを「アニマル問題」と呼んでいた。


「たぬきそばの中にタヌキが入っていないのである」

「きつねそばの中にもキツネがいないのである」

これは店主から考えると明らかな偽装だった。老舗として祖父の代から受け継いできた蕎麦屋の魂とも言える商品名にさえ自信をなくなってしまったのだ。

次の日、蕎麦屋の壁には新しいメニューが並んでいた。
たぬきの文字が消され、その横に「天かすふりかけそば」の文字が踊っていた。

TVからは東京オリンピックに出場する外国人選手団を「お・も・て・な・し」するニュースが流れていた。

偽装のない東京へようこそ!


@ankeiy

これが日本のネット企業50社ランキングだ!(2013年11月1日付)

天気が悪いから更新しますね。前回は10月18日の終値でベスト50を選出しましたから、それから2週間後のランキングということになります。残念ながら前回よりトータル時価総額10兆円ちょっとで8.7%ダウン。もうGoogle先生どころかFacebook1社にもかなわない状況になってしまいました。(ちなみにfacebook時価総額は現在約12兆円)国内ネット株投資をしている人にとっては面白くない2週間だったということでしょう。先週から決算ウイークに入っていますので、いろいろ変動ありそうですが、今月は米国市場でTwitterの上場もありますので、とにかくがんばれ日本のネット企業といったところでしょうか。

さて、こちらがそのランキングです。

そして10月18日からの下落率上位のランキングがこちらです。

下落1位はガンホーです。先日の決算発表で主力ゲームパズドラの売上がピークアウトしたのではないかという観測が売りを誘いました。2位はMonotaRO。こちらも残念ながら通期下方修正のリリースを受けての下落です。3位はソーシャルゲームメーカーのモブキャスト。こちらは11月1日に大幅な下方修正が出されています。これは織り込まれておりませんので今週はさらに下落が進むかもしれません。決算前の警戒下落といったところでしょうか。

次は上昇率上位のランキングです。

上昇1位は不動産情報ポータル運営のネクストです。こちらは景気回復や消費増税前の不動産取得などを期待した買いが入っているということでしょうか。2位は農産物販売のオイシックスです。なぜ上昇しているのかよくわかりませんが、偽装問題など相変わらず高い安全な食への関心が資金をむかわせているのかもしれません。3位はアドウェイズ。こちらは国内の広告事業の好調と海外投資が評価されて上昇しているようです。

まあ、ぼくは株屋でもないですし、投資にもあんまり関心がないんでこんな感じです。適当に読んでください。しかし、なんだかわかりませんがランキング20位に入っているファンコミュニケーションズって会社だけ気になりますね。なんか決算発表が11月8日あるらしいんで注目ですねw。それでは書くのも面倒くさくなってきたのでこのあたりで失礼します。

@ankeiy

ヤナティファンド誕生!その秘密に迫る。

30日、株式会社ファンコミュニケーションズ証券コード2461)の代表取締役社長らしい柳澤安慶(ヤナティ)氏が超個人的にシード向けの投資ファンドを立ち上げたということで、ダダステーションとして急遽、単独取材を申し込んだ。以下がその一問一答だ。

ダダステ:
なぜこのタイミングでシード向けの投資ファンドを立ち上げたんでしょうか?

ヤナティ:
昨日、Googleで「ヤナティ」と検索するとぼくが一番上に表示されるようになりました。それまでずっと3番とか4番だったんです。つまり、その瞬間、ぼくは日本一の「ヤナティ」になったことになります。ヤナティとして背負っているものの重さを感じ、ここは一念奮起して、シード向け投資ファンドの立ち上げをすることにしました。

ダダステ:
最近、サイバーエージェントの藤田社長が100億円ファンドとか立ち上げていますが、ヤナティファンドはどの程度の規模になるんでしょうか?

ヤナティ:
お金は無いです。ゼロです。名付けて「0円ファンド」です。

ダダステ:
えっ、ゼロって・・・・。それじゃ投資できないじゃないですか。

ヤナティ:
いいえ、それができるんです。このファンドの新しさを説明しましょう。創業者からのプレゼンテーションを受けて、ぼくが「この創業者、面白い!」って思ったら、創業者が会社を設立する際に出資する金額の一部を間借りさせてもらいます。

ダダステ:
はっ?もう一度、お願いします。間借りってなんですか。

ヤナティ:
わかりやすく説明しましょう。創業者が100万円出資するとして、そのうちの10万円分をぼくの出資分ということにしてもらって、この10万円を24回月次払いでぼくが創業者に返済するわけです。

ダダステ:
はあー。それって創業者に借金するってことですよね。

ヤナティ:
いいえ、創業者に毎月お金を払うわけですから、立派な出資です。36回払いのホワイトプランもあります。こちらは条件として4つのオプションに申し込んでもらいます。

ダダステ:
最初0円で月賦・・オプション・・。携帯契約プランじゃないですか。

ヤナティ:
当初、起業家がおっぱいを1回揉ませてくれるたびに、1万円ずつ投資額が増える「おっぱいファンド」を考えたんですが、起業家が若い女性の場合はいいんですが、おっさんだった場合、考えただけでも気持ち悪いですよね。そこで、そのアイディアは没になり、0円携帯、いや「0円ファンド」になったわけです。

ダダステ:
ちょっと理解に苦しみますが、新しいことは新しいですね。ところで、こんな投資の方法で起業家は喜ぶんですか?

ヤナティ:
その昔、誰かが「投資のココロは母心」と言っていました。シードへの投資ってのはこの母親のような気持ちが必要なんです。一般のVCファンドは事業を資金面で援助しますよね。どちらかというと家計を支える父親なんですよね。一方、ヤナティファンドが目指す投資は母親なんです。毎月夜なべしてコツコツ内職をして貯めたわずかばかりのお金を息子のために24回払いで毎月送金する。考えただけで泣けてきます。創業者も毎月、銀行通帳を見るたびにヤナティファンドからお金が送られてくる。きっと「ああ、いつも私のこと見守ってくれているんだなあ」という気持ちになるはずです。これが母心というものです。

ダダステ:
はあー。(ため息)ところで、ヤナティファンドからの投資には厳しい審査基準があると伺ったんですが、どんな基準なんですか?もうどうでもいい感じなんですけど。

ヤナティ:
はい。基本的に事業計画よりも人を見ます。成功する創業者として私が大切にしている条件がこの3つです。

・イナゴ取りがうまい。
ミドリガメが立派なミシシッピアカミミガメになるまで育てた経験がある。
・雨の日にお店などでビニール傘を誰かに持っていかれたら、すかさず他人のビニール傘を持って帰る。

ダダステ:
「ちょ、待てよ」・・あっ、すみません。おもわずキムタクになっちゃいました(笑)
何ですか、まずそのイナゴ取りがうまいって。一応聞いてみます・・。

ヤナティ:
その昔、ぼくの田舎では秋になるとみんなでイナゴ取りをして佃煮にして食べたものです(遠目)このイナゴ取りは、単純にイナゴを捕まえるだけなんですが、すごく戦略性と集中力が求められます。だってイナゴいないところに行ってもとれない、取り方を工夫しないと取れない。だから数時間もイナゴ取りをしていると、たくさん取れるヤツと取れないヤツが明確に分かれます。ぼくは以前から、取れないヤツは経営に向いていないと思っていました。

ダダステ:
はあ、それはまあそのなんとなくわかります。次にミドリガメの話は何なんですか。

ヤナティ:
これは経営者にとってもっとも重要な資質かもしれないのですが、愚直な素直さと、持久力が試されているのです。夏祭りで浮かれてついつい出店で、小さなミドリガメを買っちゃう。「一生、このまま小さくてかわいいままなんだ」なんて思ったも束の間、ミドリガメはどんどん成長して獰猛なミシシッピアカミミガメになる。お母さんに「こんな恐ろしいカメどっかの池に捨ててきなさい!」と言われても、決してくじけれることなく、完全に可愛らしさを失ったカメを飼い続ける。この愚直さと継続力、そこが経営にとって非常に大切な要素なんです。

ダダステ:
はいはい(かなりあきれている)で、次の傘は?(ぶっきらぼうになっている)

ヤナティ:
これも経営者にとって、大切な資質です。やられたらやり返す・・・続きはもう言いません。まあ、傘が取られてしまった瞬間、もう自分の傘がないんだあと落ち込んでしまい、ただ茫然と雨に濡れて帰るようなら経営者に向いていません。あるいは「他人のビニール傘を持ち帰るなんて泥棒じゃない」とコンプライアンス意識高く、雨にぬれて帰る。これも一つの生き方かもしれませんが、やはり経営に向いていません。ここは自分が持ってきたビニール傘と極力似ているビニール傘をさりげなく持ち帰るくらいの気持ちが大切です。

ダダステ:
はいはい、「お巡りさん、どろぼーですよ」(もう疲れてきている)

ヤナティ:
ぼくはここで創業者の誠実さを見ています。過去に犯した小さな犯罪、それをきちんと告白してこそ、起業家と投資家の間に信頼関係が生まれるのです。それがこの傘問題の真意です。

ダダステ:
はいはい、なんだかよくわからないですが、ヤナティファンド、とにかくがんばってくらさい〜(もうやる気なし)

以上、どうでもいいニュースをダダステーションからおおくりいたしました。

@ankeiy

これが世界のネット企業ベスト100だ!

雨の中ジョギングしたらTシャツが雨で重くなって乳首に擦れて、いまもヒリヒリしている金曜の午後ですが、みなさんお元気でしょうか。

さて、本日、LINEいよいよ上場かあ。なんてニュースが流れ、時価総額1兆円なんていう記事が踊っていました。TwitterもIPOが秒読みになり、時価総額1兆円以上ののスタートになりそうな気配です。いやー「兆」なんて簡単に言いますけど、すごい金額ですよね。Google先生が30兆円だとかAppleが45兆円だとかもうわけがわかりません。我々は金の蔵がのつまみが値上がっただけで右往左往しているような状況ですから皆さんも相当わけがわからないと思います。そこで、ぼくがそんなみなさんのためについに立ち上がりました。

なんとぼくが勝手に世界のネット企業時価総額ベスト100を作成してみました。先日、国内のネット企業の時価総額ランキングを独断と偏見で作成してから約1週間、ついに世界進出です。未上場の会社まで鉛筆を舐めなめ見積もってみました。

まずは以下の表を見てください。ちょっとでかいです。


すごい金額が並んでいますよね。エクセルで作りましたから、まったく意味がないんですが100社を合計してみたところ150兆円を超えました。ぐおおお。驚いていいのかいけないのかわからないところですが、ちょっと考えてもらいたいのは、この企業群は、ほとんど2000年以降に登場しているということです。つまりこの10数年でこれだけのバリューが生まれているということなんです。世界中のネット関連の企業を全部合算すれば200兆とかなるかもしれませんが、それは既に金融などのセクターに次で相当大きなものになっているんじゃないでしょうかね。この10年、ネットを通じていかに社会で大きなパラダイムシフトが起きたかということが実感できますよね。

孫さんは今から27年後に時価総額200兆円の企業を作る計画のようですがw、時価総額200兆円というとんでもない企業を作るためには、やはりこのネットセクターを狙うのがベストなんでしょう。ケータイキャリアを中核に選んでいるのも、所詮ネットを利用するのは人間ですから人間の一番近い場所にいつも存在するデバイスをまず押さえてその周辺にビジネスを広げることで企業を成長させていく戦略はまったくもってうなずけるところです。

ところでこの表を見ていると、ほんと世界の大学ランキングとか金持ちランキングと似ているなあという感想を持ちます。日本の企業ってランキングに入ってくるんですけどみんな小粒なんですよね。なぜ小粒かというと日本語圏という小さな空間で経済が成り立っている(しかも世界2位3位というレベル)ということもあるでしょうし。もう一つは資本市場も含めてインフラがしっかり整備しているから小さな状態でも完結できるようなモデルになっているんですね。これが中国とかなると、株式市場もふくめIPOを目指すなんてよっぽどスケールが出ないありえないわけです。だから中国なんかにはまだまだこの表に現れないけど時価総額1000億円以上の価値のある企業がゴロゴロしているんじゃないでしょうかね。

あと、ゲーム関連の企業が多いですよね。ざっと数えて16社ランクしていますけどSNSも収益源がゲームだったりすること考えると全体30%くらいはゲームなんですね。今やゲームは世界中のネットで一大産業ということですね。まあそれは飢餓するような状況を脱して幸せなことで、世界中で豊かな場所が増えているってことなんでしょうけど、ちょっと考えさせられちゃいますね。ほかにできることないのかなあと。

あれあれ、86位の会社だけなんか網掛けがされていますね。おっかしいなあ。何かのトラブルでしょうか?賢明な皆さんならもうおわかりですね。このブログを書いている人が経営している会社ですw。少し目立たせないと広報に怒られてしまいますから網掛けしてみました。

先日もツイッターでつぶやいたんですけど、もし日本人が時価総額1兆円のネット企業を作ろうと思ったら3つしか方法がないと思います。一つは「広告とECと金融」をうまくネットで結び付けて国内消費者に喜ばれるポータルサイトを作ること。これはヤフーや楽天ですね。そして2つめは、パズドラのような大ヒットするゲームを作ること。最後は世界にひしめく競合と戦いながら、海外でしっかり収益を上げられるグローバル企業を作ること。です。

さあ、どうですか?みなさんも挑戦しますか?この世界のトップを目指すっていう企業経営は、まさに山登りと一緒なんですね。よく雪山で遭難なんていうニュースが流れますが、そのたびに登山に興味がない人は「なんでこんなにクソ寒いときに山なんか登るんだよ。馬鹿かあ。」って思いますが、登山家の人たちからすればそこに山がある、見たことのない世界があるなら挑戦するのは当たり前なんですよね。それと同じように、時価総額1兆円、いや10兆円を目指す人は、そこに超えなきゃいけない企業群があるから目指すわけで、誰にも到達できない世界を実現させたいわけで、誰にも理解できるものではありません。

というわけで、永遠に見えないかもしれないものを追いかけて今日もあくせく働くわけです。

@ankeiy

ご注意:このデータは上場会社は今週の各上場市場から時価総額を抜き取っておりますが、為替などいい加減ですから、数字を真に受けずだいたいこのくらいとお読みください。未上場にいたってはデータはほとんど存在しませんからファイナンス情報をもとに長年の勘wで算出しております。なお、これはあきらかにおかしいのではないか。こんな企業があるというお話があれば@ankeiyのツイッターアカウントにでもメンションしてください。

Google先生が一晩で3兆円も大きくなったと聞いて、日本のネット企業の現有戦力を確認してみた。

まあ、あまり短期間で株価の上げ下げに一喜一憂してもしょうがないんですけどね。1か月前に書いた「日本のネット企業が束になってもGoogle先生にまったく歯が立たない件について」をたくさんの方にお読みいただいていますから、一応あれから1か月たってどうなったかとう続報をお伝えしておきたいと思います。今日はこんな雨ですし。ヒマですしね。

ところで、先週17日にGoogle先生が2013年3Qの決算を発表しまして、これが市場の事前予想を大きく上回るものでした。そんでもって翌日には、なんと13.8%も株価が上昇したった一晩で時価総額が3兆円以上も増えてしまいました。3兆円ですよ。あの3億円事件の1万倍ですよ。しかし、こんな勢いで髪の毛が増えて欲しいものです。決算の詳細についてはこのブログで触れることはしませんが、おおざっぱに言ってモバイル広告の伸びがすごかったってこです。あとYoutubeなどの動画広告が成長しているところなども評価されているようです。

グーグルの株価、初めて1000ドルを突破

これは先日フェイスブックが同様にモバイル広告が大きく伸びたことで株価を飛ばしたことと同様の現象で、いよいよ米国も本格的なモバイル広告の成長期に入ったというふうに理解してもよさそうですね。

さて、本題の日本のネット業界に目を向けてみましょう。わたくしが老眼に鞭をうって独自の判断で作成した「日本のネット企業時価総額ベスト50」を確認してみてください。なななんと!戦力が減退しております。1か月で1216億円分の時価総額減です。がーん。この1か月間私たちは何をしていたのでしょう(笑)といっても、表を見ていただければわかりますが、この減少はトップ2社のYahoo!ジャパンと楽天の減少が原因です。総大将のYahoo!ジャパンに至ってはGoogle先生が一晩でゲットした3兆円をついに下回ってしまいました。これはまるで労働者が一生かけて稼いだ収入を大金持ちが銀座のクラブで一晩で飲んでしまったようなものです。虚しい。なぜこんなことになったのでしょうか?そう、これは孫さんが突然発表した「禿げしい」ヤフーショッピング無料化によるものですね。なーんだ孫さんのせいですね。じゃあ許しましょう。ヤフーショッピングの利用料無料化でこの先ECマーケットがどうなるかわかりませんが、今のところ株式市場はまだマイナスの方が大きいと判断しているということのようですね。

落ち込んでばかりはいられません。この「ヤフーショッピング・ショック」が市場に与えた影響は決してマイナスばかりではありません。時価総額を上げている企業を見ていただければわかりますが、広告関連の企業の時価総額が上昇しています。これは、EC市場の活性化により市場競争が進み、結果として広告会社が伸びるのではないかといかという期待が株式市場に働いているからと思われます。まさに漁夫の利。本当にそうなるかどうかまったくわかりませんが、そうなるといいですね(個人的にw)

孫さんといえば、もう一つフィンランドのオンラインゲーム大手スーパーセル社への51%の出資という話題もありました。こちらも多少影響が出ているようで、業績好調で株価が伸びていたコロプラの株価をひき戻し、ポスト・パズドラで株価が下降傾向だったガンホーの株価を引き上げ、結果として1か月前とほとんど変わらない時価総額に落ちつたという感じのようです。いずれにしてもゲーム関連はここ数カ月でかなり株価が上昇していますから、一休みといったところでしょうか。

その他、目をひくのは金融関連の下落ですね。オンライン証券が軒並み下がっています。アベノミクスの上がりすぎの反動でしょうか。まあNISAが近づいていますからどこかでまた動き出すかもしれませんね。個別ではライフネット生命が大きく下がっているのも気になりますね。何かあったのでしょうか。

いずれにしましても、国内現有勢力は残念ながらGoogle先生との力に差をさらに見せつけられる1か月となりました。そして米国では、いよいよTwitterIPOが迫ってきています。Twitterが刺激材料となりさらにネット関連企業に注目集まることは間違いありません。さらに今年もクリスマスホリデーが近づいています。クリスマス前に1年の半分近くを消費するといわれる米国で、iPadiPhoneキンドルなどの端末がどう動くのか。そしてアマゾンをはじめとするEC企業がどう躍進するのか、そのあたりの期待が株価にのってくるでしょう。ってまったくもって市場解説のような文章になっていますが、株が上がろう下がろうが私は全くどうでもいいですw

日本のネット企業もチマチマした値引き合戦から早く脱却して、ダイナミックな展開をしてGoogle先生を少しでも慌てさせられる展開が望まれております。そんなことはわかっていますが孫さんのようにはなかなか「禿げなり難し」です。自戒も込めまして。がんばりましょう。

@ankeiy

歩道橋に脱ぎ捨てられたズボンが現代社会に語りかけること。

奥さん、お久しぶりです。あまり久しぶりのブログ更新で、どんな語り口だったかも忘れてしまいそうですよ。ぼくは。銀杏があまりに臭いので、二人で金木犀を求めて彷徨ったあの秋のこと、昨日のことのように覚えています。

ところで、奥さん、事件なんですよ。ぼくがいつもジョギングする目黒通りの歩道橋に、紺色のズボンが脱ぎ捨てられているんですよ。ね。事件の匂いがプンプンするでしょ。ぼくもはじめは「誰かの落し物か何かかなあ」って思ったんですけど、1週間経っても誰も取りに来ない。これは大事件かもしれない。と、思ったんですよ、ボス。

「じゃあ、殿下は指紋を取ってくれ」「長さんは聞き込みを頼む」「おいジーパン、これジーパンじゃねえぞ」って、ヤマさんの声が聞こえてきそうですね?もちろん、ボスは歩道橋の真ん中でコートの襟を立て遠くを見ながら煙草をくゆらせているわけですけど。

話を「ズボン」に戻しますけど、このズボンがなぜここに落ちているのか、当然ここに事件を解く鍵があります。そこでぼくは5つの推理を立ててみました。

1)泥酔した誰かがどうしてもズボンを脱ぎたくなって、脱ぎ捨ててパンツ一丁でそのまま帰ってしまった。

2)歩道橋で女性を襲おうとした男が走りながらズボンを脱いでそのままパンツ一丁で追いかけていった。

3)歩道橋の上で露出狂の男が露出していて、興奮してそのままズボンをはくのを忘れて帰ってしました。

4)歩道橋の上でエッチしようとしたカップルがいて、彼がズボンを脱いだ瞬間、誰か来て慌てて彼女のスカートをはいてしまった。(この推理は彼女は何をはいて帰ったのかという疑問が残ります)

5)歩道橋を歩いていたら、急に大きい方を「もよおし」しかたがないから、そこでやり。紙がないからズボンでふいた。(この推理もなぜパンツでふかなかったかという疑問が残ります)

まあ、こんな感じです。どの推理も真実と思えるような内容ですよね。この中のどの行為が行われていたとしても、恐ろしい事件が起きたという事実に間違いはないようです。ところで、このブログでぼくが伝えたかったこと、ここまで書いたらもうみなさんお分かりですよね。

それは「マスメディアの報道に騙されるな」ってことです。

この「ズボン脱ぎ捨て事件」のように一つの事件は様々な物語になりうります。こうした事件はマスメディアのニュースによって社会でストーリー化するのですが、報道する者の考え方ひとつで、私が推理したような様々な物語になり社会に届けられてしまうということです。たとえば古館さんが露出狂だったとします。その場合、自分が露出狂であることが、ばれないように、物語の中から露出狂を排除しようとする意識が働くでしょう。そしてこれは恐ろしいことに古館さん自身も気づかずにやっている可能性が高いのです。

奥さん、今も人知れず歩道の上で申し訳なさそうに脱ぎ捨てられているズボンですが、きっとこんな叫び声を上げていることでしょう。「ニュースを疑え」「自分の頭で考えろ」と。

@ankeiy

生産性を上げないと給与が上がらないって本当ですか?

ちきりんさんがブログに書きました。

「生産性の概念の欠如」がたぶんもっとも深刻

「生産性を上げる以外に、給与を上げる方法はありません。」

「生産性を上げる以外に、国が、企業が、家計が、より豊かになる方法もありません。」

ちきりんさん、違う。何かちょっと違うよ。

だってね。ここに普通のエアコンがあるとするでしょ。このエアコンの生産性を上げるために、省エネエアコンに替えたとするでしょ。どうなるでしょう?当然、同じ時間の利用なら電気代が安くなりますよね。「電気代=給与(人件費)」と考えると、あれあれ?上がるどころか下がってしまうんですよ・・。

えっ、意味がわからない?何を馬鹿なことを言っているのだという顔をしていますねw。

ぼくが言いたいのは「生産性を上げるということは給与を上げるってことじゃなくて、コストを下げるってことじゃないか」ということです。

お前コストを下げれば、利益が上がり、結果として給与が上がるじゃないか。すぐそう反論されそうですね。うん、もっともな考え方ですね。でもね。ビジネスの世界って、そうはうまくいかないんですよ。

だって、市場があるし、ライバルがいるし。いくらコストを下げても売上を上げる方法が間違っていたら利益は上がらないんです。つまり給与も上がらないということになりますね。

じゃあ、結局のところ何が給与を上げるのでしょうかね?それは生産性ではなくて創造性じゃないかと思います。ぼくが外国で働いていたころ(働いたことないけど言ってみたかったw)、よく「クリエイティブ」とかイノベーションとか言われていたものです。

何か新しい付加価値を生み出す。わかりやすく言うとスマホがない時代にiPhoneのようなものを生み出すことですかね。それが「国が、企業が、家計が、より豊かになる方法」繋がるんじゃないかと思います。あっ、もちろんそんな新しいマーケットを作るような大きな話じゃなくても、仕事や生活の中の小さなクリエイティブでもいいと思いますよ。

ところが、ここでもう一つ面白い考察があります。この創造性というのは別に「革新的で今まで世の中になかったものを生み出さなければいけないのか?」というとそうでもないということです。

例えば、バカ暑い夏にはエアコンがなければ生活できないと人々が考えていたとします。当然、電気メーカーや電力会社はここに市場を持つわけです。けれども、このとき「暑い夏はエアコンよりステテコの方が涼しい」という考え方が生まれて、この考え方をみんなが支持したとします。「そうだよな。ステテコを履いているとエアコンいらないじゃん」ってね。そうすると、まったく新しいステテコ市場が立ち上がり、ステテコメーカーが儲かるわけです。ここでの創造性は「みんなをステテコすごいと思わせる」ということになります。つまり創造性とは別に古くてもいいわけです。見方を変えさせるということですね。

じゃあ、この創造性ってのはどうすれば生まれやすくなるのか。ぼくは生産性とまったく対極にある概念「無駄」が重要なんじゃないかと思っています。

「無駄」っていうとちょっと乱暴ですかね。違う言葉でいうと「余裕」ですね。何かをするためにいっぱいいっぱいになっていてはダメな何かですね。

ぼくも何度か経験があるんですが、効率を考えて時間やお金をギリギリで使っているときって(アイディアは生まれることはあるんですが)なかなか創造的なことを実現することは難しいんです。

やはり新しいことや新しいものの見方が自分の中で生まれ、定着して、育つためにはそれ相応な無駄な時間、だらだらとした時間が必要なじゃないかと思います。

あっ、別にちきりんさんの考え方を全て否定しているわけじゃなくて、各論ではもちろん賛成です。生産性を意識しないおっさんもいるでしょうし、それが企業の足手まといになってみんなの給与を下げているかもしれないけど、結論で言われているような「それが全て」になっちゃうと違和感があるわけです。ちきりんさんの言うところの生産性も大切だと思います。作業の効率が上がれば、残業時間は減るし、余った時間で趣味とかできるし、余った時間からクリエイティブが生まれるのかもしれませんしね。企業としてはすくなこともコストは減るわけですからハッピーですね。トヨタカンバン方式なんていうのは良い例ですから。(ちなみにうちの会社も残業時間の削減に頭を悩ましていますw)

けれども、給与が上がったり、幸せになるかはまた別の話ですね。

生物学的には「予測不可能性」という言葉があるそうです。当たり前ですけど、すべてが思い通りにいくのではなく突然予想外のことが起きるということです。例えば、アリの仲間は、この「予測不可能性」に対応するために普段からその群れの何割かは働かないそうです。つまり組織として必ず「無駄な集団」を内包しているということですね。

このことがダイレクトに僕の言うところの「創造性を生み出すための無駄」とつながるとも思いませんが、無駄を持つことの重要性を自然も意識していると考えると、ぼくらもあまり生産性ばかり追求しないほうがいいのではないかという考えも湧いてきます。

よく人生の時間を「良い時間」と「悪い時間(無駄な時間」と二元論的に語る方がいらっしゃいますが、ぼくは少なくとも人生のあらゆる時間に無駄な時間はないと思っています。
1日中くだらないスマホゲームをやって過ごしてしまっても、だらだらTwitterしてしまっても、その時間は必ず次の創造性を生み出す何かになっているはずだと思います。大切なのは新しい何かを生み出そうとする前向きな意思です。残念ながら、この意思はそこらへんにころがっているものではさそうです。じゃあこの意思はどうすれば手に入るのか、この辺りは今度書いてみたいと思います。

@ankeiy