もし、Google先生が学園ドラマの主人公だったら。

あっという間に今年も残り3か月。光陰矢の如し、学成り難し、禿げ刈り難し。みなさん、お元気でしょうか。ぼくは元気です。たぶん、孫さんも元気だと思います。

最近、ちょっと気になっていることがありまして、それはGoogleの影響力の話なんです。ソーシャル・ブームが一段落して、Facebookが「Googleに対抗だ!」といいましても、所詮、つぶやきと自慢話の巣窟、世界中にある情報をデータベースにするというGoogle先生のとてつもないコンセプトにかなうまでもなく、ますます先生の一人勝ちになっているように思えるからです。特に日本では先生以外の先生はご臨終、もしくは特養ホーム暮らしになっておりまして、日本国民が頼るべき先生は既にGoogle先生しかいらっしゃいません。

最近、先生は「パンダアップデート」とかいう、まるで山田パンダパンチDEデートでローラと一緒にボタンを押したら思わずハートになっちゃったかのような検索ロジックの変更を行います。知り合いの女の子に言わせると、それはまるで「連れて行かれて嫌だったデート」みたいじゃないかという話です。

そんなこと言われても、ぼくにはさっぱりよくわかりません。そして先日に至っては「俺たちはハミングバードしちまってたぜ」っという、先生にあるまじき後だしジャンケンをして、みんなの心情を逆なで、唖然とさせておりました。ここは清原以上の男気を見せて、日本国民にドカーンと花王ハミング1年分でも購入していただきたいものです。

恐ろしいものです。書き始めるとくだらない話というのはどこまでも続くものですね。はい。しかし、僕が今回書きたいことはそんなことではないのです。

Google先生がこのまま「先生の段位」を上げて永久師範にでもなってしまうと、この先私たちの情報の選び方までも支配してしまわないかという重大な危惧を抱いているのです。この問題は実は消費税が8%になるとか、東京にオリンピックが来るとか、加藤茶の奥さんが部屋に若い男を連れ込んでいるとか、そんなことよりはるかに重要な問題なわけです。

お婆ちゃんの知恵袋ってあるじゃないですか、年齢を重ねた人の知識を大切にするとか。仕事でも遊びでもそうですけど、長い年月の付き合いの中で徐々に相手の信用が高まり、その人の持つ知識や情報を受け入れるようになるとか・・。と、ところがですよ。Google先生の場合、ちゃちゃっとやって、さっさっさと並べて、「はーい、みなさん集まってください。私が私の論理で情報を有意義な順に並べておきましたので、後は確認しておいてくださいね」てな感じなわけですよ。なんか変でしょ。それでぼくたちはそれを見て「うぉー、すげー、何でもあるぜ。先生は神様だなあ」なんてありがたがって読むんですよ。そこには、今までの歴史の中でぼくたちが培ってきた時間軸による知識の熟成のような順列は一切ないわけです。

しかもですよ。このGoogle先生のご指導は「情報というのは人気があるものが有意義なんですよ」というポピュリズムなんです。それはまるで「今日はみんなサンマを買っていくから、お前んちも今夜はサンマにしろ」と言っている傲慢な魚屋のおやじにも見えなくもないわけです。ぼくは、サンマのとなりでしょんぼりしているカレイでムニエルが食べたいのに。

そして、ここで話をもう一つ複雑にする事情があるんです。それは「SEO」ってやつです。Google先生は人気のある情報から優先順位をつけているので、当然のように「じゃあ、先生をだましてやれ」っていう元気な子供がいるわけです。まあ、先生はそういう悪い子を見つけると、当然「廊下に立ってなさい!」とバケツを持たせるわけですが、もっとひどい子を見つけると、校庭10週、いや転校させちゃう場合まであるわけです。ところがです。Google先生「最新テクノロジー風紀委員」を大勢組織しているので、悪い子を取り締まることには長けているんですが、優等生にはからっきし弱いわけです。やたら、優等生を持ち上げるわけです。でも、でもでもですよ。みなさんも学生時代のこと思い出してみてください。優等生が必ずしも面白かったわけじゃないですよね?あるいは賢い人だったわけじゃないですよね?優等生より不良の方がちょっと人間臭くて面白かったなあ。なんて思う人多くないですか。そう、それなんです。チェッカーズ前人未到のベストテン10週連続1位を獲得した理由もそこにあるんです。ぼくたちが求めているのは優等生だけじゃないんです。

けれどもGoogle先生は、今日も「コンテンツイズキング」というご指導のもと、「ぼくらのキングはカズだけだああ」と泣きじゃくる子供を蹴飛ばし、先生が定めた校則を守る優等生を教室の前の方からそっと並べ、優等生だらけにしようと目論んでいるわけです。

このままじゃちょっとまずいんじゃないかという僕の危機感、みなさんに少しは伝わりましたでしょうか。でも、ご安心ください。どう考えても、このまま学園ドラマが終わるわけがないじゃないですかw。
いつか必ず、必ずGTOみたいな先生も現れるものです。そして、「おいおい面白いものはもっと奥のほうにあるぞ」とかなんとか言って、スカート中に手を入れてくるはずです(おいおいそれは違う学園ドラマだってw)そして本当の正義は何かということも教えてくれるのです。あるいはこういうストーリーもあるかもしれません。謎の転校生が表れて超能力でGoogle先生を混乱させて優等生たちを催眠術から解き放してくれるわけです。

エンディングなんてものはどうでもいいんですが、ぼくはみんなが同じもの食ったり、同じところに向かったり、同じもの見たりだと面白くないなあと思っているだけです。みんながあーだこーだやり合うのを見させていただくのも秋の夜長の楽しみなんですから。

@ankeiy