ヒーローが集まる組織について

「当社は優秀な人材だけを採用しています」とか「当社は、素晴らしい人間ばかりが働いています」と声高々に自慢する企業は多いと思います。優秀か優秀じゃないかはそれぞれの価値観によりますから、なんともいえませんが、本当に優秀な人たちばかりが働いているその組織は良い業績を残せるのでしょうか?

先日、ぼくはドイツに行きました。長旅になると、いつも飛行機の中で映画を見ます。時間をもてあますと普段は見ないような映画も見ます。その流れで「アベンジャーズ」という映画を見ました。この映画は、ピンで映画になるコミックヒーローがドリームチームを組んで悪と戦う’はちゃめちゃ’ストーリー映画で「日本よ。これが映画だ!」なんていう仰々しいキャッチフレーズが鼻についていたので、絶対見るつもりはなかったのですが、退屈だったのでしかたありませんでした。

結果、案の定とうか、やっぱり面白くありませんでした。お金がかかってそうなハリウッド映画なのに残念です。ヒーローと一緒にハラハラどきどきまったくできないのです。そこでぼくはこの映画がなぜ面白くないのか考えました。そして、ヒーローが多すぎるのからじゃないかという結論に至りました。なぜヒーローがたくさんいるとダメななのか?3つ理由があると思いました。

理由その1:ヒーローに頼ってしまう。
ヒーローというのは存在感があります。そこにいるだけでみんなの注目を引くのです。だから、ヒーローがたくさん登場する映画は、ストーリーや演出などあらゆることがヒーローの存在感に頼ってしまいます。監督がいかに演出を重視していると考えても、実は心のどこかでヒーローに頼ってしまっているのです。人間なんて弱いものです。

理由その2:悪と正義のバランスが悪くなってしまう。
ヒーローがたくさんいるのですから、どうしても悪の影が薄くなります。そうなるヒーローの中から悪の要素を取り出して悪を強くしてバランスをとらなければなりません。なぜなら世の中は表と裏でバランスが取れているからです。そのためバランスを取るためにヒーロー同士を戦わせたり無理をしてしまいます。そして、話が複雑になり、見ている人もすっきりしない展開になり、悪が滅んだ後の爽快感に欠けてしまうのです。

理由その3:真のヒーローが不在になってしまう
視聴者はいつもヒーローの登場を待っています。だから正義のヒーローが登場するハリウッド映画は毎回ヒットします。ところがヒーローがたくさんいると、誰がヒーローか不明瞭になってしまいます。さらに、ヒーローだらけになるとそこは人間界から離れた異世界になってしまいます。そんな異次元になると自分もヒーローになりたいなどというモチベーションがもてません。早く逃げ出さないとこっちがやばいです。

ということで「アベンジャーズ」はあちゃーな映画だと思うのですが、話を最初に戻して、優秀な人ばかりが集まっている組織のことを考えてみましょう。(またいつものように無理やりです)
例えば、ここでは狭き門を潜り抜けてきたヒーローたちばかりが集まった組織など想像してみましょう。その組織のTOPや人事部は「一般人よ、これが最高の会社だ」と胸を張って自慢しているかもしれません。が、結果が大変なことになることも同時に想像できます。

みなさん、お互いに気をつけましょうね。

@ankeiy