フリーランスという仕事もありません

「サラリーマンという仕事はありません」これ糸井重里さんの名コピーですよ。いろんな申込書に職業欄ってあるじゃないですか。サラリーマンやっていると、ちょっと、困るんですよね。「はて?オレの仕事って何だったっけ?」ってねw。

日本が高度経済成長をしてサラリーマンさえしていれば、車も買える家も買える、みんな競って大企業への就職を目指す。そんな良い時代があったんですよね。今でも昭和頭のお父さんやお母さんは、子供を大企業に就職させようと必死ですけどねw。

そんなとき糸井さんが「おいおいちょっとまてよ。みんなそんなに安易に考えていいの。サラリーマンなんて仕事ないよ。あなたは何で食べていくのよ?」って当たり前のことに疑問符を付けたんですよね。当時、サラリーマンになることが当たり前と考えていたぼくにとっても、十分ドキッとさせられるフレーズでしたよ。


昨日、脳科学者の茂木さんが「フリーランスって素晴らしい」ってつぶやいていたんですけど。これも同じでね。「フリーランス」なんて仕事はないんですよね。ぼくもサラリーマンやっているときにね。やっぱり「フリーランス」に憧れましたよ。フリーのコピーライターとかね。時間も自由そうだしね。上司の機嫌取らなくてもよさそうだしね。なんてったてモテそうじゃないですか。でもね。その後、フリーランスの人たちと一緒に仕事していると、その厳しさも見えてくるわけですよ。腕の骨折が怖いからデザイナーの人は大好きなスキーに絶対行かないとかね。実は取引先に上司以上に気を使っていたりしてね。経費は全部自分で支払わないといけないしねw。


というぼくもその後フリーランスで仕事していたことあるんですよ。2年くらい。将来の保障が何もないですからね。(まだサラリーマンは10年後が想像できるんですよ。先輩が存在しているので)とにかく必死ですよね。労働時間はどうしても長くなっちゃうしね。暇なときの不安なんてなんともいえないですよね。まだ子供が小さかったんで、自宅で仕事ができないんですよね。それで駅前の喫茶店を仕事場にしていたんだけど。駅に向かう朝の人の流れの中で、マンションの窓から子供が「パパーどこ行くの?きっちゃてん?」って叫ぶんですよ。恥ずかしかったですよ。ふんとに。


ぼくは、ほとんどの職業形態を体験しているんじゃないですかね。日雇い、月払いw、サラリーマン、フリーランス、ダメベンチャーの創業者w、中小企業の経営者、上場会社の経営者ってね。いろいろ体験してみるとね。それぞれの職業の中でね。必ずいいところと悪いところがあるんですよ。当たり前ですけど。
経営者なんていうのもね。やったことない人から考えると、収入も多そうだし。偉そうだし。良い仕事に見えるんじゃないですかね。でもね。創業の頃は資金繰りで必死だし、社会的な信用がないから住宅ローンも組めないし、賃貸も審査で落ちるしね。じゃあ企業は黒字になると安心かっていうとね。今度は社員の給料の心配しなきゃいけないし。いつも倒産の恐怖におびえながら仕事をするわけですよ。


つまりですよ。どんな立場でどんな仕事をしていても、「やっかいなこと」ってのは必ずあるわけですよ。でもね。このやっかいなことがすごく重要な気がするんですよ。どんな仕事していてもね。「どうせ俺なんか」なんて投げやりにならないでね。この面倒なことに立ち向かうっていうのが実は仕事じゃないですかね。そこを楽しめるようになったら、一流の仕事人じゃないですかね。


今朝もニュースで、元気が出る話をいくつかしていましたよ。それはレアメタルの代替技術が開発されたとか。高層ビルの撤去技術が世界から注目されているとか。日本もなかなかやるなーっていうニュースなんだけど。これって国内にレアメタルがないからこそ出てくるアイディアだし。アメリカではドカーンとダイナマイトでビルを破壊させれば済んじゃう話が、日本は規制があってできないから生まれるくる新しい技術なんだよね。つまりね。「やっかいなこと」がまったくもって次のエネルギーになるわけですよ。

ぼくもね、もちろん非モテなんだけどね。だからこそ、いつかくる「モテ期」を信じてw毎日ジムに行ったり、かっこつけたり自分を節制する努力ができるんですよね。


なーんてことを考えて、今日も一日がんばろうじゃないですか。


あ、そうそう、サラリーマンになりたくてもなれずに、履歴書すら受け取ってもらえずに、しかたなく自営業をしている人も、日本にもたくさんいるということもお忘れなくね。