ぼくとネズミとゾウの寿命が同じという件について

うちの犬は今月で6歳になりますよ。人間の寿命で考えると47歳くらいだそうですよ。ドックイヤーって言葉がありますが犬の1年ってのは、人間の7年〜8年にあたるそうで、だいたい寿命は10歳〜15歳くらいになるようですね。ペットってどんどん年をとるもんですからね。わかっていても、いずれくるお別れのことを想うと「グスッ」となる飼い主も多いんじゃないですかね。ぼくも最近、朝から「おひさま」で涙するほど、涙もろいんですよね。困ったもんです。歳のせいでしょうか。奥さん。


ぼくはよくうちの子供たちに「犬は寿命が短いんだから、大切にしなさい」ってなことを言っていました。でもね。最近、これ間違っているかもしれないって気づいたんですよ。はい。発見ですね。というのも、「生物的時間」に関する本を読んだからですよ。ちゃんと時間生物学っていう学術分野もあるんですね。生物の体内時計を研究する学問ですよ。


生物的時間ってのは、生き物がそれぞれ感じる時間の流れなんですよね。ぼくら、ヒトが勝手に決めた物理的時間、つまり1日24時間、1年365日とまったく違う時間軸のことなんですよ。細胞の代謝と深く関係しているらしいんだけどね。もっと具体的にいうと、酸素の消費量を決める呼吸数と脈拍数から推定することができるらしいんですよ。


子供のころ、放課後校庭で遊んで、その後友達の家にいってもまだまだ日が暮れない。1日がすごく長かったですよね。ところがだんだん歳を重ねると1日が短くなって、「1年なんてあっという間だね」が合言葉になっていく。子供のころは代謝が激しいけど、悲しいことに20過ぎればもう老化が始まりますからね。物理的な時間に当てはめると、生物的時間はどんどん短く感じるようになるらしいんですよ。


ぼくが面白いなと思ったのは、哺乳類って一部の例外を除いて一生の間にする呼吸数と脈拍数はほとんど同じだというところですよ。寿命120年のゾウも、数年のネズミもほぼ同じだそうですよ。つまりですよ。ヒトが考える物理的時間で考えると、ゾウは長生きでネズミは短命なんだけどね。生物的時間で考えると、両者はほぼ同じ時間を生きているんですよね。


でね。ぼくは思ったわけですよ。犬の寿命を短くて悲しく思うのは、やっぱり人間のエゴなんだってね。犬の時間もぼくらの時間も生物レベルで考えればたいして変わらないんだよね。きっと。と、思ってね。犬の顔を眺めると、確かに時間がゆっくり流れているように感じるw。ソファーの上で寝て、玄関で寝て、散歩にいって、ネコ追いかけて、遊んでも遊んでも1日が長いんだろうなってね。

だから、犬が天寿をまっとうしたときはね。長い長い時間一緒にいてくれてありがとうってきっと言ってもらえますよね。そう考えると少しだけ幸せになりますね。奥さん。