ドラッカー的じゃないプロフェッショナルの条件について

何を隠そうぼくも数々のプロを目指しました。パチプロとかプロ雀士とかですけど。学生時代にみんな挫折しました。はっきりいってギャンブル弱いです。「人生ギャンブル」なんてこと、口も避けてもいえないですよ。奥さん。


プロ野球、ちょっとだけ盛り上がってきましたよね。なにせ今年は「ゆうちゃん」がいますからね。そんな球界に先週、一石を投じる事件がありましたよ。


場所は甲子園。阪神対巨人。ジャイアンツのセカンド脇谷選手の後方にふらふらっとあがったフライを、「取った!」と思った瞬間、実はポロっと落としていてそれをすくい上げたんですよ。審判はアウトの判断をしたんですけど、ビデオを再生したらしっかりワンバウンドしていたんですよ。


当然、納得いかない阪神ベンチからは真弓監督が出てきて抗議したんだけど、結局アウト判定は覆らなかったんですよ。


それで、結局その試合はジャイアンツが勝ってね。その判定のことをインタビューされた脇谷選手は、「ワンバウンドしていましたよね」という質問に「TVの写りが悪かったんじゃない?」とか言ってスルーしたんですよ。


そしたら、阪神ファン怒りますよね。巨人ファンもあれはよくないって。脇谷選手だけじゃなくて後ろで見ていた長野選手まで、マスコミやネットで散々叩かれたんですよ。


で、ダルビッシュTwitterアカウントまで飛び火してね。「あれどう思いますか?プロとしてひどいですよね」なんていう質問がたくさんあったらしいんですよ。そしたら彼は「プロなんだからああするのは当たり前じゃないかな」「審判も含めてルールなんだから、審判で勝つ試合もあれば負ける試合もある」ってな大人の回答をしたんですよ。


ぼくも、その通りだなって思ったんですけどね。プロですからね。何よりも優先させることは、勝つことだと思うのですよ。もし勝利にこだわらずに、ファンを喜ばせることや、カッコつけることや、道徳観を押し通すことを重く考えたら、たぶんその人はプロで長くやっていけないですよね。


それでね。この事件を考えていたら、いま喧々諤々としている原発の情報開示問題に同じ構造を発見したんですよ。
仮に保安院や電力会社のスタッフをその業務のプロだと考えるとね。どちらも、安全に原発を運営する。つまり「原発は問題ない」ということを伝えるためのプロフェッショナルなわけですよ。だからね。彼らはいかに問題がある数字や情報を見せないようにするかという方向に進んで当然なんですよ。言い換えるとプロとしての仕事をしっかりしているってことなんですよね。


いやなプロですよね。でもしかたないですよね。そういう人たちに仕事を任せているのもぼくたちなんですからね。もし、「国民の生活や安全を守る」っていうプロであるべきだと思うなら、警察とか消防とか軍隊とかそういう組織から人選する必要がありそうですよね。


「プロフェッショナルって目標を持って自分に与えられた仕事を完璧にこなす(努力をする)人、あるいは他人ができないレベルで実行できる人って感じなんだよなあ」と思っていたらね。何かもの足りないような気がしてきたんですよ。


そしたら、昨日、キャンディーズのスーちゃんのお別れの言葉を聞いてはっとしましたよ。死に直面していて被災地を思う気持ちも重いのだけれど、ぼくにひっかかったのは、「もっと映画に出たかった、TVドラマをやりたかった」というところ。「ああ、この人は本当に女優が好きだったんだなあ」って思ったんですよ。


でね、ぼくがプロフェッショナルの条件で物足りなく感じていたのは「本当にこの人はこれが大好きなんだな」と伝える力なんじゃないかなと思ったんですよ。


ぼくはね。下手なよこ好きでもね。本当にそのことが好きでやり続けている人をプロって認めたいと思いますよ。そういう人を見ていることもすきなので、たぶんお金も払っちゃいますよ。


誰になんと言われようが大好きといえることをいつもさがしていますしね。ぼくもプロになる日を目指してねw。