新しいKYな人に会いたい件

KYって死語ですかね。でも、あなたの周りにもいますよね。空気読めない人。こんな駄文を書いているぼく。そう僕も空気を読めていませんよねw。まあ、そんなこと言わずにちょっと付き合ってくださいよ。奥さん。


春の高校野球が昨日終わりましたね。優勝は東海大相模。いやあ。圧勝でした。安打数も新記録ですからね。打って打って打ちまくった感じですよ。いやーさわやかでした。でも、みなさん気づいてました?
あの甲子園の上にどんよりとした変な空気が流れていたことを。


「がんばろう日本」てのが今回のテーマでしたよ。被災者を応援するために僕らは野球をやっているんだぞ。高校野球がみんなを元気づけるぞ。って感じでしょうか。大会のはじめから最後までアナウンサーは、あらゆるネタを震災にからめ、東北出身校のときには応援しまくり、最後の最後まで「がんばろう日本」をやりとうしたわけです。


選手もそんな空気をビシビシと感じていたと思いますよ。空気に飲み込まれたチームもあったかもしれません。優勝した東海大相模のキャプテンは最後にインタビューで「大会を開いてくれてありがとう」って言っていました。そんなふうに感じてプレイしていた選手たちにはもちろん拍手ですけど。同時にぼくはなんか違和感も感じましたよ。


高校生同士が正々堂々とガチンコで戦うから高校野球って感動するし、「ああなんて自分は自堕落な生活をしているだと」つきつけられるですけどね。今回は誰か演出家がいてそれを見せられているような気がしてしまいましたよ。あれで本当に元気を被災地に送れたんでしょうかね?


高校野球以外にもいろいろ変な空気がありますよ。政党が「絆」というメッセージを出したり、テレビ局が「ひとつになろう日本」っていうキャンペーンをはったりね。みんな今の空気をうまく利用して、自分たちのポジションをあげようって匂いがぷんぷんするんですよね。


それだけじゃなくて僕たちの中にも「自粛」っていう重い空気が流れていて、空気が読める人たちは今自粛したほうがいいのか、悪いのかなんっていうことを一生懸命考えているわけですよ。


空気が読めないやつは、「なにやってんだあいつ」って白い目で見られるのが怖いですからね。でもね。ぼくは、なんかいま「空気を読まない人」に出会いたいと思いますよ。正確にいうと空気は読めるんだけど、あえて読まない人。新しいKYな人にですよ。


でね。その新しいKYな人が、きちんと信念を持っていて、データや歴史を使ってロジカルにいまおきていることやこれからやるべきことを説明をしてくれないかなあと思っているんですよ。そしたらぼくはその人についていきたいですよ。


911のときにぼくたちはアメリカと世界が「対テロ」という正義の空気の中ににどんどん取り込まれていって、あっという間に戦争をおこしてその後取り返しのつかない状態になっているのをみているじゃないですか。


それと同じようにね。今回311の後、はじめはそれどころじゃなかったけど、時間がたつにつれて政治も、企業も、個人も一所懸命空気を読もうとしているじゃないですか。日本の空気を。それで何がなんだかわからないうちに「日本の将来がきまっていく」なんてなっちゃったらいやじゃないですか。


ああ、こんなに長くなってしまった。そろそろやめますね。
とにかく、ぼくは新しいKYな人と出会いたいですよ。