ネットスーパーが商店街を救う!?

「ネットスーパー」で検索すると、ずらっと大手流通の名前のがならぶ。世はまさにネットスーパー戦国時代だ。ユーザー数もうなぎのぼりで、全国ですでに500百万世帯以上の利用があるではないだろうか。先日も西友がネットスーパー事業への投資を発表しており、現在26万人いる会員を5年後には10倍の260万人まで増やす計画だ。


しかし、このネットスーパー、流通業にとっては両刃の事業だ。積極的に事業展開しなければライバルに顧客を奪われかねないが、薄利の流通業にとって、ラッピングから配送までを代行して利益を計上するというのは至難のワザだからだ。最大手のイトーヨーカードーは2000年に参入して、黒字化まで8年かかったという。さらに今後もネットスーパー間の競争が激しくなれば、当然送料無料など、さらなる熾烈なコスト削減を迫られるのは間違いないだろう。


うちのかみさんはイトーヨーカドーのネットスーパーを利用しているのだが、チラシの特売品はもちろん、生活必需品はほとんどネットで買っている。送料は315円。7000円以上注文すると無料だ。ときどき送料105円の日というのあるようだ。主婦としてはたとえ315円払っても、ドリンクなどの重いものを配達してもらえるのはうれしいことだという。しかし、お金に厳しいうちのかみさんは、当然7000円以上のマトメ買いをしている。


リビングのソファーで横になりながら、ipadで注文すると、夕方届けてくれるネットスーパーを一度利用しはじめると、あまりの便利さに主婦たちはわざわざ自転車に乗って大型スーパーに買い物に行くということをしなくなるのではないかと、ふと思った。駅前のダイエーとか郊外のイオンとかマイスーパーを決めていた主婦たちの生活習慣が変化する可能性がないだろうか。そして、手数料を節約しようとする主婦たちはきっとまとめ買いをする。一方で、買い忘れたり、その日に思いついた買いもの(たとえばお惣菜など)は近所の商店街で済ます。もうリアル大型店に足を向けないのではないだろうか。こういう変化が起きるとすると商店街にとってはまさに漁夫の利だ。もちろん、そうしたネットスーパー主婦のニーズにこたえる努力は必要なのだが。昔大型スーパーに奪われた顧客が、ネット時代になって再び商店街に戻ってくるとしたら、ぼくはなんとなく楽しい気分になる。